Communication Wheel Japan
その2.コミュニケーションホイールの原典
コミュニケーションホイールの原典となるアイデアは、1984年イギリスの広告クリエーターであるデイビッドバーンスタインの著書「COMPANY IMAGE & REALITY」に見つかります。
この本でバーンスタインは企業のコミュニケーションを構造化するために、[企業」「パブリックパス(チャネル)」「オーディエンス(ステークホルダ)」という3つのレイヤーを構造として示しています。そして、企業を中心にその周りにチャネル、その周りにオーディエンスを同心円状に配して、それぞれをくるくると回すことによって情流を検討する「The Wheel」を表わしました。
[バーンスタインのTheWheel]
コミュニケーションの構造化についての説明部分を下に紹介します。(一部翻訳・引用)
企業は、9つのオーディエンスとコミュニケーションを取ります。
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- 内部
- 地域社会
- 影響力のある人々
- 取引先
- 政府
- 商業メディア
- 金融界
- 顧客
- 一般公衆
そして、9つのチャネルのすべてか、その一部を利用します。
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- 製品
- 書簡
- PR
- 対面
- Impersonal Presentation
- 文献、
- 販売時点
- 物理的メディア
- 広告
「ホイール」において、企業はそのハブにあたり、オーディエンスはそのリムに当ります。ハブとリムの間に、企業とオーディエンスがコミュニケーションを取る領域「チャネル」があると考えます。九つのオーディエンスと、九つのチャネルです。
上の図では、オーディエンスとチャネルが固定的でないことに注意してください。「広告」と「顧客」とか、「パブリックリレーション」と「商業メディア」とか、「Personal Presentation」と「取引先」といった組み合わせができるということです。
TheWheelは、企業が九つのオーディエンスのそれぞれとコミュニケーションを取るときに、どのチャネルが候補に挙がるのか検討するように使っていただきたいのです。言い換えれば、この図の内側の丸(チャネル)がくるくる回る、ということです。(固定的な図で表すのであれば、ホイールの形は取っていません)TheWheelは、モデルではなく、チェックリストであり、考察のスタートを提供するものです。
TheWheelは、企業広報担当者に、検討すべき9×9の項目(流路と受信者で81個の組み合わせ)があることを示しています。それらの大部分は非現実的で、ばかげているかもしれませんが、私の経験では、それらをレビューする行為は2つのことを実現します。それは、いくつかの新鮮な思考が刺激さることと、企業のコミュニケーションを、個々のオーディエンスへの一連の個別メッセージではなく、全体像から俯瞰するようなることです。その結果、オーディエンスをより思いやったより良い調整が可能となるでしょう。(翻訳・引用以上)
コミュニケーションホイールにおいて、バーンスタインのこの「TheWheel」の考え方を拡張して、[企業][コンタクトポイント(チャネル)][デバイス][刺激][ステークホルダ」の5つのレイヤー(輪)にすることで、現代的なコーポレートコミュニケーションの情流を検討するためのツールとして提案しています。
コミュニケーションホイールガイドブックその1.「コミュニケーション情流の構造化」
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