コミュニケーションホイールガイドブック(Communication Wheel Japan) その1.

コミュニケーションホイールガイドブック(Communication Wheel Japan)

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その1、コミュニケーション情流の構造化

情報は、発信者から受信者に伝わります。受信者は発信者となり新たな情報を作り出して、前の発信者に戻されたり、別の受信者に伝わったりします。
では、その情報の流れ(情流)はどういった要素に分解できるでしょう。

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1.メッセージ

人はさまざまな思いを持ちそれを外に向かって表出します。思いが表出されたもの、それが「メッセージ」です。何かをして欲しい、自分の感じたことを共有して欲しい、といった思いが具体的になったときにメッセージが固ります。

2.コンタクトポイント

コンタクトポイントは、受信者が情報に触れる場で人と人とが直接触れる場合もありますし、新聞やテレビのといった何かに表示されるときもあります。

3.デバイス

デバイスは、情報を出力するもので、放送におけるテレビ・ラジオといった受信機、新聞雑誌を作るための紙、スマートフォンといったものです。人の口といった生身の場合もあります。

4.刺激

刺激は、情報が人に伝わるときの物理的特性で、人間が外的刺激を受けとめる身体的器官によって受容されます。視覚・聴覚といった五感ないし六感かからなります。

5.ステークホルダ

受信者は、その属する社会的状況によって、いくつかのグループに分けられます。これをステークホルダと呼んでいます。発信者とは利害関係にあります。受信者をグループ分けしたものです。

【デバイスと刺激を分けて考える意味】

電子機器が現在のように発達する前の時代では、デバイスと刺激は一対一の構造でした。紙に文字を刷り込んだものが新聞や雑誌であり、放送受信機のなかでも映像と音声を流すものがテレビ、音声だけを流すものがラジオであり、看板といった工作物に描かれているものはたいてい静止画と文字でした。

しかしながら現代、デバイスとそこから発せられる刺激は、別のものとして考えなければ情流を考えることができません。テレビ番組やラジオ番組は、もはやテレビ受像機やラジオだけでなく、パソコンでもスマートフォンでも見聞きすることができますし、逆にテレビ受像機やラジオに文字が表示されることも一般的です。新聞購読契約を紙面購読から電子版へ変更したひとも多くいますし、コミックの市場の半分以上は電子出版のものになっています。看板や電車内のポスターもいまや動画が流れるのは都市部では当たり前で、野球場のバックスクリーンに鮮やかな広告が流れる景色も当たり前になっています。
したがって、「どのデバイス」からの「どんな刺激」を媒介として情報が伝わっていくのかを考えることが必要なのです。

【つづく】
コミュニケーションホイールガイドブック(Communication Wheel Japan) その2.コミュニケーションホイールの原典

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